新型コロナウイルス感染拡大の影響による海外渡航の規制が徐々に緩和され、日本から海外に飛び立つ人が増えてきました。

新型コロナウイルスを想定したwithコロナ時代の海外旅行において、これまで以上に必要性が増しているのが「海外旅行保険」です。

この記事では、海外旅行保険で適用されるコロナ関連の補償内容とともに、各社のコロナ対応の比較や海外旅行保険の必要性について解説します。

海外渡航の予定がある方、海外旅行保険の補償について知りたい方はぜひ参考になさってください。

海外渡航するなら加入しておきたい海外旅行保険

海外旅行保険とは、海外への渡航中に起こったトラブルを補償する保険です。

自宅を出発してから帰宅するまでが補償の対象となり、ご自身の病気やケガ、持ち物の破損、盗難などによる損害を補償してくれます。

ここでは、海外旅行保険の補償内容や新型コロナウイルスへの対応についてご紹介します。

海外旅行保険の補償内容

海外旅行保険の主な補償内容を以下にまとめました。

補償項目	保障内容
傷害死亡/疾病死亡	海外旅行中のケガや病気が原因で死亡した場合に保険金が支払われる補償
傷害後遺障害	海外旅行中のケガが原因の後遺障害が認められた場合に保険金が支払われる補償
治療・救援費用	海外旅行中のケガや病気が原因で治療を受けた場合や、入院等により家族が現地に赴いた場合に保険金が支払われる補償
賠償責任	海外旅行中に他人の持ち物や施設内の備品を破損してしまった場合に保険金が支払われる補償
携行品損害	海外旅行中に携行品の破損や盗難・引ったくりに遭った場合の損害に対し保険金が支払われる補償
寄託手荷物遅延	航空会社に預けていた手荷物が所定の時間までに届かず、やむを得ず出費が発生した場合の購入費用を補償

新型コロナウイルスの補償に対応

海外旅行保険の多くは新型コロナウイルスによる損害にも対応しています。

医師認定のPCR検査の結果が陽性で、かつ「医師の治療を受けている」または「医師名のあるPCR陽性証明書を取得している」場合、治療費用やホテル療養の宿泊費、PCR検査の再検査費用などが補償されます（契約する保険会社の条件をご確認ください）。

対象となる補償項目や条件は保険会社によって異なり、また今後の新型コロナウイルスの状況により変更となる場合があります。

海外渡航の予定がある方は、各保険会社のホームページなどで最新の情報を確認しておきましょう。

新型コロナウイルス関連で補償される内容

withコロナ時代となった今、多くの保険会社が新型コロナウイルスによる損害を海外旅行保険の補償対象としています。

ここでは、新型コロナウイルス関連で適用される主な補償内容をご紹介します。

治療・救援費用

海外旅行中に新型コロナウイルスに感染し、現地で医師による治療を受けた場合は保険金の支払い対象となります。

また、保険責任期間中（自宅出発日から帰国日まで）に感染し、責任期間が終了したその日から30日以内に治療を開始した場合にも補償されます。

以前は「保険責任期間終了後72時間以内」の治療開始が保険適用の条件となっていましたが、潜伏期間がある新型コロナウイルスは72時間が経過した後に発症するケースが多くみられたため、多くの保険会社にて条件の改定が行われています。

詳細については契約する保険会社にてご確認ください。

支払い対象となる費用は、診察費や入院費用、緊急移送費用、ホテル療養の客室料などです。

また、被保険者が渡航先にて3日以上続けて入院した場合は、救援費用として親族を対象に往復運賃や宿泊施設の客室料などが支払われます。

疾病死亡

海外旅行中に新型コロナウイルスに感染し、保険責任期間中もしくは責任期間終了日を含めて30日以内に死亡した場合は保険金の支払い対象となります。

多くの保険会社にて保険金の支払い条件が改定され、責任期間終了後72時間以内に新型コロナウイルスの発症が確認されなかった場合においても、責任期間終了日を含めて30日以内に死亡した場合は保険金の支払い対象とする措置がとれられています。

治療・救援費用と同様に、詳細については契約する保険会社への確認が必要です。

なお、疾病死亡保険金は被保険者の法定相続人に支払われます。

旅行変更費用（旅行キャンセル費用、旅行中断費用）

海外旅行保険によっては、特約（オプション）として旅行変更費用を付けられます。

渡航先の感染症危険情報レベルが一定の水準（※1）まで引き上げられた場合や、日本や外国の官公署の命令で出入国規制または感染症による隔離が発せられた場合は、出国の中止や中途帰国に対する補償が適用されます。

（※1）「レベル4（退避勧告）」または「レベル3（渡航中止勧告）」が発出された場合に補償対象となる。ただし、補償を受けるには避難勧告または渡航中止勧告が発出される前に保険契約を完了している必要がある。

海外旅行保険のコロナ対応を比較

新型コロナウイルスを補償する海外旅行保険を２つピックアップし、それぞれのコロナ対応についてまとめました。

新・海外旅行保険【off!】（損保ジャパン）

損保ジャパンが販売する「新・海外旅行保険【off!】」では、おすすめの補償を組み合わせた「パッケージプラン」と、必要に応じて補償を選べる「オーダーメイドプラン」のどちらかを選択できます。

インターネット経由の契約により店頭販売商品よりも大幅な割引を受けられること、事故の連絡から保険金請求までLINEで手続きできることも特長です。

新型コロナウイルスに関する主な補償内容

海外旅行中に新型コロナウイルスに感染し治療を受け、医師の指示により宿泊施設に滞在した場合、その客室料や帰りの飛行機代などは治療費用から補償されます。

なお、旅行変更費用の補償に関しては、インターネット専売である「新・海外旅行保険【off!】」は対象外となっています。

補償を受けたい場合は店頭販売商品（海外旅行総合保険）にて契約する必要があります。

サポートサービスの内容

新・海外旅行保険【off!】には充実したサポート体制があり、安心して海外旅行を楽しむことができます。

医療アシスタンスサービスでは病院予約や通訳手配などを日本語にて24時間365日対応、事故相談サービスでは事故や盗難など海外旅行中に発生したトラブルについてサポートしています。

参考：損保ジャパン
『新・海外旅行保険【off!（オフ）】』（https://www.sompo-japan.co.jp/kinsurance/leisure/off/）
『新型コロナウイルスに関する海外旅行保険等の取扱いについて』（https://www.sompo-japan.co.jp/servicenews/off_news/）

ソニー損保の海外旅行保険（ソニー損保）

ソニー損保が販売する「ソニー損保の海外旅行保険」は、出発当日でもスマホ・PCから簡単に申し込みでき、キャリア決済による支払いにも対応しています。

治療・救援費用をベースとした基本補償に、旅行キャンセル費用や飛行機遅延など4項目の特約を組み合わせて自由にカスタマイズできます。

新型コロナウイルスに関する補償内容

治療・救援費用は治療開始日を含め180日以内に要した以下の費用が対象です。

サポートサービスの内容

ソニー損保の海外旅行保険では、世界42の国と地域から通話料無料で連絡できる「t@bihoサポートライン」を設けています。日本語にて24時間365日、トラブル時の相談や医療機関情報の提供、病院の予約、盗難時の手続きなどに対応しています。

参考：ソニー損保
『ソニー損保の海外旅行保険』（https://www.sonysonpo.co.jp/travel/）
『【海外旅行保険】新型コロナウイルス感染症に関する取扱いについて（2021年3月8日更新）』（https://from.sonysonpo.co.jp/topics/information/17022020_242535.html）

コロナ禍における海外旅行保険の必要性

海外旅行中のトラブルの備えとして、これまでも加入が勧められてきた海外旅行保険。コロナ禍での海外旅行にはさまざまな規制・制限が設けられ、各国の状況に応じて変化するため、海外旅行保険の必要性はより一層高まっているといえます。

ここでは、withコロナ時代における海外旅行保険の必要性についてご紹介します。

保険責任期間の自動延長があれば帰国日が延びても安心

コロナ禍の海外旅行では、新型コロナウイルスが原因で帰国日の変更を余儀なくされることがあります。海外旅行保険の保険期間が終了するまでに帰国できなかった場合、保険会社によっては保険責任期間の自動延長を適用してもらえます。

新型コロナウイルスにより責任期間の延長が適用される主な事由は以下のとおりです。

延長期間は保険会社によって異なるため、詳細は契約する保険会社にて確認が必要です。

慣れない海外でのコロナ対応をサポートしてもらえる

海外旅行中にコロナ陽性が判明すると、飛行機の変更手続きや宿泊の延長、医師の診断書などが必要となる場合があります。

海外旅行保険には手厚いサポートサービスが付帯しており、慣れない海外でのコロナ対応を24時間365日サポートしてもらえます。

サポートセンターでは日本語が話せる医師・病院など医療情報の提供のほか、設備の整った病院の紹介・手配や保険金請求手続きに関する相談などを行っています。

日本との時差を気にすることなく、困ったときはいつでも連絡をとることが可能です。

よくある質問

海外旅行保険におけるコロナ対応についてよくある質問をまとめました。

PCR検査費用が補償対象になる条件を知りたい

新型コロナウイルスが補償される海外旅行保険の場合、医師の指示によって受けたPCR検査の費用に関しては補償対象となります。

医師の指示なく自己判断で受けた場合、飛行機に乗るために受けた場合の検査費用は補償対象になりません。

ただし、自己判断でも陽性が出た場合は補償対象となることがあります。補償を受けるには保険会社が定める一定の条件を満たす必要があるため、詳しくは契約する保険会社にお問い合わせください。

コロナ禍の海外渡航で付けておくべき特約があるか知りたい

コロナ禍の海外渡航では、オプションとして「旅行変更費用（旅行キャンセル費用、旅行中断費用）」を付けておくと安心です。

新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては、急に出国の中止や中途帰国を余儀なくされるケースも想定されるため、コロナ禍の備えとして基本補償に組み合わせることを検討しましょう。

コロナで旅行がキャンセルになった場合の補償条件を知りたい

海外旅行保険で「旅行変更費用（旅行キャンセル費用）」の特約を付けており、渡航先の感染症危険情報レベルが「レベル4」または「レベル3」となるなど一定の事由に該当する場合、キャンセル費用として保険金が支払われます。

ただし、自分自身の判断や勤務先の指示によるキャンセルは支払い対象外となります。

まとめ

withコロナ時代において必要性が高まっている海外旅行保険。多くの海外旅行保険が新型コロナウイルスに関する補償を新たに設定しており、コロナ禍での海外渡航ではこれまで以上に海外旅行保険への加入が必須ともいえる状況です。

コロナに限らず、海外旅行中のケガや病気の治療費は高額になりやすく、経済的な負担が重くのしかかります。

徐々に規制が緩和され海外旅行に行きやすくなってきた今、安心して旅を旅しむためにも、海外渡航の予定がある方は海外旅行保険への加入をご検討ください。