楽天カード付帯の海外旅行保険の補償内容で十分か解説

楽天カード付帯の海外旅行保険の補償内容で十分か解説

リスクマネジメント事業・損害保険代理店・生命保険代理店の株式会社NCI【エヌシーアイ】

楽天カード付帯の海外旅行保険の補償内容で十分?
楽天カード付帯の海外旅行保険の補償内容で十分?

クレジットカードにはさまざまな優待サービスや特典が付いています。海外旅行保険もその1つ。年会費無料のクレジットカードであれば、保険料が実質0円で海外旅行保険に加入できます。

しかし、クレジットカード付帯の海外旅行保険の仕組みをよく理解していないと、万一のときに役に立たないことがあるので要注意です。

ここではクレジットカードの中でも保有者の多い楽天カードを取りあげ、最大限に使いこなす方法を紹介していきます。

楽天カード付帯の海外旅行保険とは?

楽天カード付帯の海外旅行保険とは

海外旅行保険の補償は自宅を出発するときから始まる

海外旅行保険とは、海外旅行のために自宅を出発した時点から旅行を終えて帰宅するまでを保険期間(最大3か月)とし、その間に発生したケガや病気、事故、盗難などで金銭的な損失が生じた場合に保険金が支払われるものです。

新型コロナウィルス感染症も補償の対象になる

補償内容はクレジット会社によって異なりますが、楽天カード付帯の海外旅行保険では下表の5項目が基本補償となっています。 

新型コロナウィルス感染症も、旅行中に感染した場合は治療費用や救援者費用が補償されることになっているので安心です。

【楽天カード付帯海外旅行保険の基本補償】

補償項目 補償内容
傷害死亡・後遺障害 保険期間中の偶発的な事故によるケガが原因で死亡したとき、または事故発生から180日以内に後遺障害が生じた場合。
傷害治療費用 保険期間中の事故によるケガが原因で、医師の診療を受けた場合の治療費。
疾病治療費用 ①保険期間中または保険期間終了後48時間以内に発病し、医師の診療を受けた場合の治療費。
②保険期間中に感染した特殊伝染病(コレラ、ペスト、天然痘など)により、保険期間終了後14日を経過するまでに医師の診療を受けた場合の治療費。※新型コロナウィルスは、保険期間中に感染し、保険期間終了後30日以内に医師の治療を開始した場合に補償の対象となる。
賠償責任 海外旅行中に誤って他人にケガをさせたり、物を壊したりして損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合の賠償金。
救援者費用 ①海外旅行中にケガや病気で7日以上の入院をして、家族を呼び寄せた場合の航空券や交通費、宿泊費など(救援者3名以内。1名あたり14日分まで)。※新型コロナウィルス感染症で入院した場合も同様の補償が受けられる。
②海や山で遭難した場合などの捜索・救援費用、死亡した場合の遺体搬送・処理費用も補償される(救援者3名以内。1名につき14日分まで)。

海外旅行保険には自動付帯と利用付帯の2種類がある

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、「自動付帯」と「利用付帯」の2つのタイプがあります。

① 自動付帯:クレジットカードを保有すれば無条件で海外旅行保険が付帯するタイプ。年会費が高額なカードは自動付帯が一般的です。

② 利用付帯:利用条件を満たしたときに海外旅行保険が適用されるタイプ。楽天カードの場合は、日本を出国する前に 募集型企画旅行(パッケージツアーやパック旅行とも呼ばれる)の代金を全額あるいは一部を 楽天カード で支払っていることが条件となります。

空港までのバスや電車など公共の交通機関の料金をカード決済することも利用条件としているカード会社がありますが、楽天カードは募集型企画旅行代金のみとなっている点に注意が必要です。

学生が海外短期留学する場合も、留学前に募集型企画旅行代金を楽天カードで決済していることを条件として、日本出国から3か月間は海外旅行保険が適用されます。

券種別楽天カードの補償金額を比較

各種楽天カードの補償金額を比較

クレジットカードには格付け(ステータス)があり、それによって補償金額が異なります。年会費無料の一般的な楽天カードとワンランク上の楽天ゴールドカード(年会費2,200円)、最上級の楽天プレミアムカード(年会費11,000円)を比較してみましょう。

楽天カード・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードの比較

補償項目 楽天カード
(利用付帯)
楽天ゴールドカード
(利用付帯)
楽天プライムカード
(利用付帯と自動付帯)
傷害死亡・後遺障害 2,000万円 2,000万円 利用:1,000万円
自動:4,000万円
合計:5,000万円
傷害治療費用 最大200万円 最大200万円 自動:300万円
疾病治療費用 最大200万円 最大200万円 自動:300万円
賠償責任 3,000万円 3,000万円 自動:3,000万円
携行品損害 20万円 利用:20万円
自動:30万円
合計:50万円
救援者費用 200万円 200万円 自動:200万円

以上のように、楽天カードでもステータスが違うと傷害死亡・後遺障害の補償金額に3,000万円もの差がつきます。

そのほか、プレミアムカードには「プライオリティ・パス(世界1,300か所以上の空港のVIPラウンジを無料で利用できるカード)」を発行してもらえる特典が付いています。

プライオリティ・パスをクレジットカード経由ではなく個別に申し込む場合の年会費は約45,000円ですから、楽天プレミアムカードの年会費を支払ってもすぐに元を取ることができるでしょう。

楽天プレミアムカードには、海外旅行保険だけでなく国内旅行保険も付帯しており、成田空港・関西国際空港・中部国際空港・福岡空港の4か所でもラウンジを無料で利用可能です。

海外・国内どちらも使えるので、旅行や出張の機会が多く、空港での待ち時間は落ち着いたラウンジで過ごしたいという方には楽天プレミアムカードが最適です。

なお、利用付帯の楽天ゴールドカードには、国内の主要空港と韓国の国際空港、ハワイの国際空港のラウンジを年2回まで無料で利用できる特典が付いています。

他社のクレジットカードと補償内容を比較

他のクレジットカードと補償内容を比較

楽天カード以外のクレジットカードにも海外旅行保険が付帯されています。補償内容にどのような違いがあるのか、三井住友カード、エポスカード、レックスカードと比較してみましょう。いずれも年会費無料の一般的なカードです。

補償内容 楽天カード 三井住友カード
(一般A)
エポスカード レックスカード
(利用付帯) (利用付帯) (自動付帯) (自動付帯)
傷害死亡・後遺障害 2,000万円 2,000万円 500万円 2,000万円
傷害治療費用 200万円 100万円 200万円 200万円
疾病治療費用 200万円 100万円 270万円 200万円
賠償責任 3,000万円 2,500万円 2,000万円 2,000万円
携行品損害 20万円 20万円 20万円
救援者費用 200万円 150万円 100万円 200万円

楽天カード付帯の海外旅行保険の特徴

楽天カードと他のクレジットカードに付帯されている海外旅行保険を比較すると、楽天カードの「賠償責任」が3,000万円で最も高額な保険金であることがわかります。

楽天カードは2022年6月に補償内容が変更され、それまで賠償責任は2,000万円だったのが3,000万円に引き上げられたものです。その一方で、携行品損害は20万円の保険金だったのが補償項目から除外されて補償なしとなっています。

三井住友カード(一般A)付帯の海外旅行保険の特徴

三井住友のベーシックなカードは利用付帯です。利用条件は楽天カードと違って、募集型企画旅行の料金のほかに電車やバスなど公共交通機関の料金をカード決済した場合も有効となります。

エポスカード付帯の海外旅行保険の特徴

丸井グループの1社である株式会社エポスカードが発行するクレジットカード。年会費無料ですが海外旅行保険は自動付帯なので、出国前に旅行代金や交通費などをカード決済する必要がありません。

レックスカード付帯の海外旅行保険の特徴

株式会社ジャックスが発行するクレジットカード。エポスカードと同様に、年会費無料で海外旅行保険は自動付帯です。各補償項目の保険金も高額に設定されています。

以上のようにそれぞれに特徴があります。渡航先にもよりますが、どれか1枚のクレジットカードがあれば十分とは言い切れず、ほかのカードや保険会社の海外旅行保険でカバーする必要があるでしょう。

楽天カードの海外旅行保険を利用するメリット

楽天カードの海外旅行保険を利用するメリット

楽天カード会員なら家族や友人にも補償が摘要される

利用付帯の海外旅行保険は、ツアー代金をクレジットカード決済した本人にしか適用されないのが一般的です。

それに対して楽天カードでは、同じ楽天カードを持つ友人や家族カードを持つ配偶者など数人と同行するとき、ツアー代金をまとめてクレジットカード決済すれば、同行者全員に同じ補償が摘用されます。

個別にツアー代金をクレジットカード決済することなく利用付帯の条件を満たすことになるので、クループ旅行や家族旅行をするときに便利です。

なお、18歳未満の子供は家族カードを保有できないので対象外となり、別に海外旅行保険に加入する必要があります。

年会費無料で手厚い補償を受けられる

楽天カード付帯の海外旅行保険は、前項で他社のクレジットカードと補償内容を比較した内容からわかるように手厚い補償内容となっています。

楽天カードに付帯されている海外旅行保険を利用するには、カード決済の条件を満たしさえすれば、事前の申し込みなども不要なので手間がかかりません。

海外・国内からいつでも問い合わせできる

楽天カードの海外旅行保険について問い合わせたいことがある場合、国内・海外どちらかでも24時間問い合わせをすることが可能です。

海外で楽天カードを紛失したり盗難に遭ったりした場合、楽天カードの保険デスクは24時間対応で受け付けていますので、後のトラブルを避けるためにもすぐに連絡しましょう。もちろん、日本語で対応してくれます。

また、海外で突然のケガや病気などで救急医療を受けたい場合なども保険デスクに電話相談すると適切な対応をしてもらえます。海外から24時間365日フリーダイヤルで利用でき、日本語で症状などを伝えることで、医療機関の紹介や保険金の請求手続きなどを教えてもらえます。

楽天カードで足りない補償はオーダーメイドプランでカバーする

楽天カードで足りない補償はオーダーメイドプランでカバーする

一般的に、クレジットカード付帯の海外旅行保険には疾病死亡補償(病気死亡補償)が付帯されていません。病気死亡については、生命保険に任意加入している場合はそれで補償されますが、未加入の場合は、特にリスクの多い地域に行く場合は不安です。

治療費についても、クレジットカード付帯の補償だけでは不十分です。海外の医療費は高額で、1回の入院治療で300万円、400万円もかかる実例が多く、1,000万円を超えるケースも珍しくないからです。

病気やケガの心配だけでなく、海外旅行には飛行機の遅延といったトラブルも発生しやすいもの。楽しいはずの旅行が台無しにならないよう、予想外の事態に対する備えもしておきたいものです。

それには、損保会社が提供しているオーダーメイドプランを上乗せする方法があります。クレジットカード付帯の海外旅行保険に任意の海外旅行保険をプラスするもので、それぞれの補償金額を合算することができます。

クレジットカード同士の組み合わせの場合は傷害死亡・後遺症は合算できませんが、クレジットカードと任意保険の組み合わせはすべて補償金額を合算できることになっています(組み合わせ例については次項で詳述)。

オーダーメイドプランは、渡航先や旅行の日程、人数、それに旅行者の希望に合わせて作られるのが基本で、疾病死亡や治療費を手厚くするもの、弁護士費用を加えたものなどさまざまです。

おすすめは損保ジャパンの「新・海外旅行保険off!」

自分に必要な補償項目だけ選べるオーダーメイドプラン

損保ジャパンの「新・海外旅行保険off!(オフ)」は、自分に必要な補償項目を選ぶことができる「オーダーメイドプラン」で高い支持を得ています。

クレジットカードと併用する場合は、クレジットカードでは補償されない「疾病死亡」の補償をプラスするというように、自由に組み合わせられるので無駄がありません。

ここでは、疾病死亡のほかに手厚くしたい項目をカバーするためのオーダーメイドプランの例を挙げてみましょう

〈渡航先:ハワイ 日程:7日間 人数:2名〉

補償項目 楽天カード付帯 新・海外旅行保険off! 補償合計額
傷害死亡・後遺障害 2,000万円 500万円 2,500万円
治療費用 200万円 1,000万円 1,200万円
疾病死亡 500万円 500万円
携行品損害 30万円 30万円
救援者費用 200万円 1,000万円 1,200万円
航空機寄託手荷物遅延等費用 10万円 10万円

※航空機遅延費用とは、預けた手荷物が飛行機の遅延で6時間以上到着が遅れ、やむを得ず身の回り品などを購入した場合に、その金額が最大10万円まで補償されるものです。

インターネット契約は保険料が大幅割引になる

上記のオーダーメイドプランの保険料は、1名あたり2,730円×2名で5,460円ですが、これは店頭販売価格です。インターネットで契約する場合は約40%OFF(割引)となり、2名で4,280円です。このように、インターネットで加入すると割引率が大きくなる点も「新・海外旅行保険off!」の人気の理由となっています。

詳しくはこちら

損保会社の海外旅行保険ではキャッシュレス診療が受けられる

損保会社の海外旅行保険ではキャッシュレス診療が受けられる

損保会社の海外旅行保険には、海外旅行中のケガまたは急病で、保険会社と提携している現地の医療機関を受診すれば、治療費用が保険会社から医療機関へ直接支払われる「キャッシュレス・メディカルサービス」が付帯しています。

通常は、治療費用を自分で立て替えて支払い、所定の期間内に保険会社に請求し、後日保険金が支払われるという流れになりますが、立て替える必要がないので高額な治療費の心配をすることもなく、また設備の整った医療機関で治療を受けることができます。

楽天カードの場合は、プレミアムカードはこのキャッシュレス・メディカルサービスが対応していますが、一般的な楽天カードは対応していません。

一般的な楽天カードではキャッシュレスサービスを受けることはできませんが、前述した損保ジャパンは対応しているので、楽天カードに「新・海外旅行保険off!」の治療費を上乗せしておけば現金なし(キャッシュレス)で治療を受けることが可能です。

まとめ

まとめ

治療費が比較的安い韓国やタイなどのアジア圏であれば楽天カード付帯の海外旅行保険で十分といえますが、治療費が高いアメリカやフランスなどに旅行する場合は、他のクレジットカードと併用したり、損保会社のオーダーメイドプランを上乗せする方法をおすすめします。

注意したいのは、コロナ禍の影響で多くのクレジットカードの補償内容が変更され、中には改悪されているものもある点です。どのようなプランを選べば安心なのかわからないという方は、株式会社NCI(エヌシーアイ)にお気軽にお問い合わせください。

海外旅行保険の知識と経験が豊富なスタッフが、あなたの旅行計画に合わせたオーダーメイドプランを提案し、出発時から帰国後の必要手続きその他、親身になってサポートいたします。

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