
「赤ちゃんを連れて海外旅行なんて不安」という方がいる反面、年に2、3回も子供連れで海外旅行を楽しんでいるという方が増えています。
最近は、旅行会社から子連れ旅行に不安を持つ人に配慮したツアーが次々と発売され、中でも0歳~2歳の赤ちゃんをターゲットとしたツアーが口コミでも広がり人気が高まっています。
ここでは、赤ちゃん連れ海外旅行を計画している方のために、海外旅行保険の種類と、安心でお得な保険の選び方について具体的に説明しています。
赤ちゃん連れは海外旅行保険が必要不可欠
赤ちゃん(2歳未満の乳幼児)連れの海外旅行を楽しむ家庭が増えています。国際線の航空券は2歳までは幼児運賃として大人の10%程度なので、赤ちゃんが1歳半ごろに連れていくケースがいちばん多いようです。
旅行の目的は「子供を楽しませたいのと同時に親自身がリフレッシュしたいから」という声がよく聞かれます。中には家族旅行ではなく、友人の海外ウエディングに出席するためといった理由で赤ちゃんを連れていく方も。
しかし、赤ちゃんは体力も免疫力も十分ではないので、長時間のフライトは大きな負担になります。機嫌が悪くなったり嘔吐しやすくなりますし、現地に着けば予想外の感染症にかかるリスクも赤ちゃんは高いので注意が必要。
現地で赤ちゃんの体調が悪くなった場合は、ドラッグストアで薬を買う方法もありますが、日本では承認されていない薬があるため、市販薬は使わずに医療機関を受診すべきです。まして、赤ちゃんの様子がおかしいときは医療機関での診察が不可欠です。
とはいっても、海外の医療機関を受診する場合は多額の自己負担となり、診察・治療費も日本に比べるとかなりの高額です。救急車も日本のように無料で利用できる国は少なく、ハワイでは約640ドル(約70,000円)もの料金が発生します。
そうした海外の医療事情をよく把握して、赤ちゃん連れの家族旅行のときこそ海外旅行保険に加入して、万一の時に備えるようにしましょう。
子供は病気やケガのトラブルが多い
赤ちゃんも1歳になると歩けるようになり、2歳ごろになると自由に動き回るようになります。そうなると親は楽になりますが、逆に心配事が増えてきます。いつどこで赤ちゃんが転んでケガをするかわかりません。
これはハワイでの実例ですが、ホテルでシャワーを浴びているときに赤ちゃんが転んで脚を骨折し、救急車で病院に搬送。手術して10日間の入院ということになり、かかった医療費の総額が約350万円でした。
アメリカは医療費の高い国として知られていますが、骨折でこの金額です。もし、赤ちゃんのケガの症状が重く日本で治療を受けるためにチャーター機で緊急搬送となると1,000万円を超えてしまいます。
赤ちゃんをはじめ子供はケガや急病だけでなく、他人の物を壊してしまう心配もつきまといます。たとえば、ショッピング中に商品を壊したり、ホテルの備品を傷つけたりして損害賠償を求められる場合があります。
このような高額な治療費や損害賠償金も海外旅行保険に加入していれば補償してもらえるので、海外旅行保険を利用すれば必要以上に赤ちゃんや子供の行動を制限することなく、ふだん通りにのびのびと遊ばせることができるでしょう。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は十分な補償が受けられない場合も
海外旅行保険には、三井住友海上や損保ジャパンのような損害保険会社が取り扱う海外旅行保険と、クレジットカードに付帯している海外旅行保険の2種類があります。
クレジットカード付帯の海外旅行保険はさらに「自動付帯」と「利用付帯」の2つのタイプに分けられます。自動付帯の海外旅行保険とは、カードを持っていると無条件で海外旅行保険が適用されるものです。
一方の利用付帯の海外旅行保険とは、旅行期間中の交通費の一部または募集型企画旅行(パッケージツアー)の代金をそのカードで決済した場合に限り海外旅行保険が適用されるという条件付きです。
海外旅行保険が自動付帯か利用付帯かは、カード会社やカードのグレードによって異なります。JCBゴールド、アメックスゴールド、三井住友カードゴールドなどは自動付帯で、アメックスビジネスカード、三井住友クラシックカード、楽天カードなどは利用付帯です。
年会費の高いゴールド以上のクレジットカードには「家族特約」が付いているものもあります。家族特約とは、契約者のカード1枚で妻や赤ちゃんなども病気やケガの治療費、盗難、損害賠償金といった金銭的負担を補償してもらえる特典です。
クレジットカードには「家族カード」もありますが、18歳未満はカードに加入できないため家族カードも作れません。家族特約付きのカードであれば赤ちゃんでも高校生の子供でも海外旅行保険が適用されるので安心です。
ただし、クレジットカード付帯の海外旅行保険にはデメリットもあります。クレジットカード付帯の海外旅行保険は、病気やケガをしたときの傷害補償が安いこと、病気で死亡した場合は保険金が支払われないことです。
もしものことを考えて十分な補償を備えておきたいという場合は、やはりクレジットカード付帯ではなく保険会社の海外旅行保険をおすすめします。
赤ちゃんを海外旅行保険に加入させる方法は?
海外旅行保険には生れて間もなく加入することはできますが、赤ちゃんでもパスポートは必要なので、それを取得してからとなると早くても生後2週間過ぎになります。
保険会社によっては「生後6か月以上」と加入年齢に制限を設けているところや、ソニー損保のように0歳から加入できる海外旅行保険もあるなど会社によって基準は異なります。
赤ちゃんを海外旅行保険に加入させるには次のような方法があります。
ファミリープランに加入する
海外旅行保険のファミリープランは、家族全員が1枚の保険契約証で補償を受けられるものです。
家族で海外旅行保険に加入すると「賠償責任」「携行品損害」「救援者費用」「航空機寄託荷物遅延等費用(保険会社によって例外あり)」を共有できるので、2人目以降は保険料が安いのが魅力。
カップルプランに加入する
一緒に旅行する家族を2名に限定して補償するものです。すべての補償が同額に設定されていて、2人目の保険料が安くなります。カップルといっても夫婦とは限らず、父(母)と子(赤ちゃん)、祖父(祖母)と孫など家族2名までが対象です。
カップルプランとファミリープランの違いは人数だけなので、2人で旅行する場合はどちらに加入しても支払う保険料は同じです。
子供だけ加入する
子供だけで海外旅行保険に加入することも可能です。【新・海外旅行保険Off!】は保険料の支払いはクレジットカードのみなので、契約する際は子供の名義ではなく、カードを所有している親を契約者とし、赤ちゃんや子供(旅行者)を被保険者として申し込みます。
このように、赤ちゃん・子供のみのため契約者と被保険者が異なる場合は、「傷害死亡・疾病死亡」の保険金額はほかの保険契約と通算して1,000万円が上限となります。
近年は中学生や高校生など修学旅行で海外に行く学校が増えていますが、この場合は「学校旅行総合保険」に加入するのが一般的です。
海外旅行保険と同様に自宅を出るときから修学旅行を終えて帰宅するまでの期間が補償対象となるので、親が別に加入する必要はありません。
海外旅行保険の選び方と注意点は?
海外旅行保険の基本的な補償内容は次のような項目です。
| 傷害補償 | 旅行中の事故によりケガをした場合の治療費 |
|---|---|
| 疾病補償 | 旅行中の疾病により治療費が発生した場合の保険金 |
| 傷害死亡/傷害後遺障害 | 旅行中の事故が原因で死亡または後遺障害が発生した場合の保険金 |
| 疾病死亡 | 旅行中に病気で死亡した場合の保険金 |
| 救援費用 | 3日間以上の入院で親族が現地に駆けつけた場合の航空費・宿泊費。 日本で治療を受けるために飛行機で緊急搬送する際の費用(定期航空便またはチャーター機) |
| 賠償責任 | 他人にケガをさせた、お店の商品を壊した、ホテルの客室を水浸しにしたなど、 法律上の損害賠償責任を負った場合の賠償金 |
| 携行品損害 | スマホやカメラ、バッグなどを盗まれたり、壊したりしたときの補償。 スーツケースのカギが破損した場合の修繕費など |
海外旅行保険を選ぶときのポイントは、目的(観光かビジネスかなど)、渡航先(治安や情勢はどうか)、同行者の年齢層(幼児や学生、70歳以上のシニアを含むかなど)を確認して、必要な補償とそれほど必要ないものとを見極めることです。
赤ちゃん連れの海外旅行の場合は、これまで見てきたようにケガや物の破損がいちばん心配されますから、「治療費用」と「損害賠償」をできるだけ厚めに補償をつけるようにします。
逆に、子どもは高価なものを持ち歩くことはないので、「携行品損害」は安い補償の海外旅行保険で良いでしょう。
【まとめ】日本語による24時間サポートサービスがついているので安心
ほとんどの損保会社が海外旅行保険に日本語サポートサービスを付帯しています。加入者は海外で急病になったときやケガをしたときに、保険会社のコールセンターに相談すると設備の整った病院を紹介してもらうことができます。
保険会社によってサービスのシステムが異なる場合があるので、どの保険を選べばよいかわからない、比較の仕方がわからないというときは、旅行代理店のNCI(エヌ・シー・アイ)にお気軽にお問い合わせください。
経験と知識が豊富なスタッフが赤ちゃん連れに最適な海外旅行保険を提案し、旅行中や帰国された後の必要手続きについても丁寧にサポートいたします。